CASE STUDY
医療法人社団 厚潤会 日野駅前病院様

医療法人社団 厚潤会 日野駅前病院

貴院の特徴をお聞かせください。

当院は東京都日野市人口18万人の都市で2施設のみである救急指定病院の一翼を担っていると共に、地域に根ざした総合医療の構築を図ってきました。

近年ではコロナ病床や発熱外来、オンライン診療なども開設し小規模病院ならではの機動力を生かしつつ、地域の病院や大規模病院と連携し、患者様が適切な医療を受けていただけるよう、心がけています。

多くの疾患をもつ高齢の患者様が一度の受診で済むような試みを行っているとお聞きしました。

伊藤病院長:ご年配の患者様は、なるべく一度のご来院で済ませたいと思われる方が多く、そのためにはやはり1人の医師がある程度のマルチタスクを許容できる能力が必要です。専門性は持ちつつも幅広く診ようという気持ちや心意気、そういった事も必要で、それが患者様のためになればいいなと思っています。

もちろんこちらで対応が難しい疾患については、大きな病院へご紹介するという流れになります。それらを迅速に対応し、また元気になって戻ってきた患者さんを継続してケアしていく。そして、最期を迎えるときには緩和医療が必要であれば対応する、というふうに一人一人の患者様のケアサイクルを支えていきたいと思っています。

電子カルテ導入のきっかけ・目的

電子カルテ導入のきっかけ・目的をお教えください。

伊藤病院長:従来より他社の医事システムが稼働していましたが、電子カルテは未導入でした。
私自身は、以前島の医療に従事していた事がありまして、島は全て紙カルテだったんですね。私が医師になった頃は、もう電子カルテは大きな病院には普通にあるものでしたので、島での情報伝達の大変さという点では非常に苦労した思いがあります。
これからの医療において電子カルテでの情報共有、地域医療連携は必要不可欠ですし、業務の効率化や各部門との連携強化は、質の良い医療提供につながると考え、導入を検討しはじめました。

電子カルテシステムの選定で、富士通のHOPE Cloud Chartをご選択いただいた理由をお聞かせください。

伊藤病院長:当院では院内にサーバ室用のスペースの余裕もなく、また電子カルテを随時管理出来る人員もいなかったため、セキュリティが担保されているクラウド型の電子カルテを第一候補として検討しました。
また、富士通のシェア率は大きなアドバンテージとなりました。中途採用の看護師さんや、新入職になった職員、非常勤の医師なども、富士通は知ってます、という方が非常に多いんです。
大学病院から来た看護師さん達も、すぐに馴染んでくれてましたし、逆に「こういう機能もありますよ」と教えてくれたりして(笑)

システム構築のパートナーに、エム・オー・エム・テクノロジーをお選びいただいた理由をお聞かせください。

渡部技師:3社程度までベンダーを絞り、各営業担当の方に最終プレゼンをしていただいた中で、各システムベンダーごとに機能に違いがあり甲乙つけがたい状況でした。最終的にMOMTECの社風や営業担当の方の人となりや情熱という点も加味して、MOMTECさんにお任せしようと思いました。

電子カルテ導入作業

実際の導入作業はいかがでしたか? 苦労された点などはありましたか?

渡部技師:各部署所属長からなる電子カルテ導入プロジェクト委員会を設置し部門ごとに導入作業を行いました。紙運用からの導入ということもあり、現業務から電子化できる業務の洗い出しや、電子カルテのどの機能で業務を運用するかなど、1からの検討で試行錯誤の連続でした。

伊藤病院長:電子カルテに慣れている職員も少なく、電子化するとどうなるのかという説明や、パソコンの操作説明など、職員の情報リテラシーの教育は多くの時間を費やしたと思います。

マスタの登録は、大変な作業の1つかと思いますがいかがでしたか?

渡部技師:膨大な量のマスタの洗い出しや作成作業でしたので、各担当者がかなりの時間を割いていました。そこは、やはり想像以上に大変な作業だったと思います。

本稼働時はいかがでしたでしょうか? 不安などはありませんでしたか?

渡部技師:直前に2回のリハーサルを実施したことと、稼働初日を休日からにしたことで、病棟では大きな問題が発生することなく初日は稼働できたと思います。
2日目の外来ではSEの方に待機してもらっていましたが、大規模な混乱こそありませんでしたが、リハーサルにはなかった細かい業務部分や操作が分からなくなったりといった事もありました。

伊藤病院長:事務方や看護師さんなど、電子カルテは初めてという方もいらっしゃって、最初の頃は電子カルテから情報を得るという習慣がなかなかつかず大変な時期もありましたね。
紙カルテを無くす方向にシフトしていくための環境づくりをしながら、徐々にですけど電子カルテの運用を軌道にのせる事ができたと思います。

電子カルテの導入により、どのような変化・効果がありましたか?

渡部技師:情報が集約化されることで、患者様ひとりひとりの情報を医療者が簡便に得ることができるようになり、大幅な効率化が実現できたと思います。 また、医療者間でのデータ共有がスムーズになった事で、より良い医療を提供できる素地ができたと感じています。

運用を始めて1年半ほど経過しましたが、患者様、職員の皆さまの評価はいかがですか?

伊藤病院長:例えば採血結果などは、今まで手元に結果がこなかったんです。それが電子カルテではすぐに確認できる。患者様におわたしすると、こうやってもらえるのね!と驚かれたり、また画像を一緒に見るということもできます。ご自分の受けた検査を、リアルに体験できるというのは本当に喜ばれますね。
当初はこの電子カルテというものに対して、我々がフィットしなきゃいけないという気持ちもあり、大変な時期もありました。でも運用していくうちに、だんだんと電子カルテを使いこなすようになってきており、今は安定しているように思います。

また、雇用の面でも有利に働いていると思います。大きな病院で勤務している職員はほぼ電子カルテに精通しており、紙カルテ運用は不慣れです。就労の必要条件と挙げる職員もいますので。

今後の展望

今後のICT化や機能拡張についての展望、貴院の展望などがありましたら、お聞かせください。

伊藤病院長:地域住民の方への医療提供を中心に考えている当院の役割として、ICT技術による地域医療連携は必須だと考えています。
我々は他院から情報提供いただく、また情報共有する形になります。それをこの電子カルテがベースになり、他院と共有できるようになってくると、患者様にとっては大変有益な事になると思います。これからは、どんどんそういった方向に進んでいくんじゃないかと想像しています。

特に高齢の方は、20年前、30年前にうけた手術の名前を覚えてない事もよくあります。病歴を情報としてカルテでまとめていき、それがいろんな病院と共有できるようになる、そういう方向に進む中で、当院の患者様だけが不利益を被るわけにはいきませんので、東京都や地域の状況と足並みを揃えて、患者様のためにもそこは進めていくべきと考えています。

電子カルテシステムの導入を検討されている病院様に、アドバイスやメッセージがありましたらお聞かせください。

渡部技師:HOPE Cloud Chartは当院のように人材やサーバー室の整備が困難な施設には大変有用なシステムであったと思います。問題発生時はサポートセンターがリモートによって随時対応していただけるのでシステム化した後でも円滑な業務が可能でした。
業務の効率化や職員全体の医療知識の向上につながり、医療事故防止にも大いに貢献したと考えています。導入作業に関しては、職員一丸となることがプロジェクトの円滑な推進と成功に大きく影響すると思います。

伊藤病院長:導入に関しては、職員にとって本当に大変な作業だったと思います。そして、コストもそれなりにかかるものですので、どういうふうにみんなが恩恵を受けられるかという点が可視化できない中で導入するのは、経営側からすると正直不安もありました。
ですが導入して1年たった今、全てが良い方向に改善していますし、コスト面でも十分な恩恵にあずかっていると感じています。

電子カルテ導入が本格的にスタートしたのは、ちょうどコロナの第二波~第三波の時期で、この先どうなるかまだまだ分からない状況の中でした。
現在、当院ではコロナの発熱外来を実施しているのですが、カルテ番号がすごい勢いで増えていくんです。これを紙カルテで管理していたら、とても追いつかないような数で、3分の1も対応できなかったのではないかと思います。当院は救急病院であるのに、そんな事は許されませんから。
スピード感をもって対応できたのは、電子カルテのおかげです。それを考えただけでも、あの頃電子カルテを導入しておいて本当に良かったと思っています。

  • 病院名
  • 医療法人社団 厚潤会 日野駅前病院
  • 病院長
  • 伊藤 亮治
  • 病床数
  • 60床
  • 理念
  • 医療人として信念と情熱をもち、人間愛に満ちた医療を提供する。
  • 基本方針
    1. 救急医療体制を構築し、24時間365日「断らない医療」を実践する
    2. 地域住民の健康維持に努め、疾病の予防・早期診断・治療に尽力する
    3. 緩和ケアを充実し、患者さまとご家族が安らげる空間を提供する
    4. 適切かつ最新の医療を提供するために学び続ける
    5. 一人の人間として愛をもった医療を提供する
  • URL
  • https://hinoekimae-hp.com/