Introduction Example 07慶應義塾大学 予防医療センター

予防医療センターの特徴をお聞かせください。

矢崎事務長

慶應義塾大学予防医療センターは、個人を尊重した「一人ひとりの人生と共に歩む医療を」という基本コンセプトで開設された人間ドックの施設です。しっかりとした対話を基盤に、受診者様が何を求めていて何を必要としているのかを見極め、その方だけのメニューをご提案していくことが特徴です。

検査メニューをオーダーメイドしていただくために、「人間ドック」ではなくあえて「パーソナライズド・ドック」と呼んでおり、どなたさまにもご満足いただける検査の提供を心掛けております。検査の当日中に医師から結果報告をさせていただき、さらに受診が必要であれば、慶應義塾大学病院で治療を受けることも可能です。その点は、大学病院連携の当センターの強みであり、受診者の皆様から支持いただけているポイントでもあると思っています。

とても美しく落ち着いた環境で、健診に来たということを忘れてしまいそうですね。

矢崎事務長

ありがとうございます。当センターは2023年11月に、港区麻布台ヒルズの森JPタワーに移転開業しました。以前は、慶應義塾大学病院内という立地でしたので、受診者の方にとっては、少なくとも訪問を楽しんだり、リラックスできたりという場所ではなかったと思います。

麻布台ヒルズという「街」に進出したメリットを生かして、皆様が可能な限りリラックスできる、プライバシーにも配慮した空間デザインと環境をご用意しました。ホテルのような落ち着いた空間で、くつろいで受診いただき、お食事はこちらのタワー33階のレストランで召し上がっていただけます。ちょっとしたことかもしれませんが、少し検査も楽しみになるような、そういった工夫も随所にプラスしております。

医療機関として最も重要な「安全・安心な医療」を追求しながら、同時に「心安らぐ空間」も提供するという、相反する要素を高いレベルで共存させるためにハード面とソフト面を整えることは大変難しい課題でしたが、おかげさまで受診者の皆様にはご好評いただいております。

Flexibility柔軟な対応

「パーソナライズド・ドック」のスタイルは、受診者ごとにかなりメニューが異なるとのことですが、ご苦労はありませんか?

矢崎事務長

そうですね。一般的な人間ドックは、受診者の検査メニューをできるだけ統一化することで効率的な運用につながりますが、当センターが提供しているパーソナライズド・ドックでは、受診者全員がほぼ違うメニューで検査を受けます。本日受診された方も全員メニューが違っています。

そのため、標準化した健診運用は難しいのですが、MOMTEC社の総合健診支援システムIMFINEを活用することで、受診者の皆様をできるだけお待たせすることなく効率的に誘導することができています。受診項目は多岐にわたりますので、目視だけではチェックしきれない部分がありますが、IMFINEによって確実なチェックができています。項目の漏れがない検査完了を確認できるのは安心できますね。

当センターでは、事前にお話をうかがいながら、その方に合ったメニューを組み立てていくのですが、健診当日に「これも追加したい」とご要望いただくことも多く、そうしたイレギュラーな変更にも臨機応変に対応できるなど、当センターにおけるパーソナライズド・ドックの運営に欠かせない基盤システムとなっています。

Operation運用

MOMTECは健診システムの運用パートナーとしてご満足いただけていますか?

矢崎事務長

MOMTECの担当者様は予防医療センターの運用を理解し、こちらが何をしたいか細やかにくみ取りながら対応いただいています。改善の要望にも親身になって一緒に考えてくださいます。

中村課長

業務を行っている中で、やはりここはこうしたい…という変更要望もよくあるのですが、柔軟に対応いただいており、運用を改善できています。

今後継続的に運用していくうえで、このノウハウを他の担当者にも共有していってくださることを期待しています。

Prospects将来展望

今後のICT化や機能拡張についての展望をお聞かせください。

矢崎事務長

今後は受診者様の利便性向上を進めていく必要があると考えています。特にオンラインで提供できるサービスがまだ充実していないので、今後そういった面を強化していきたいと思っています。

中村課長

IMFINEを利用するスタッフの負担を軽減することで、より直接的に受診者の皆様へ安全・安心な検査を提供できると考えています。そういった部分では、AIの活用で実現できることもあるのかなと考えています。

今後、MOMTEC社提供のパッケージにAI関連の機能が組み込まれることを期待しています。

また、顔認証で本人確認ができたりするといいですね。検査室に入室するだけでご本人を認識するような、スムーズなものが実現できるといいなと思います。

最後に、予防医療センターとしての展望などがありましたら、お聞かせください

矢崎事務長

昨今話題のフレイル対策であったり、心身のウェルネスを実現するようなサービスであったりといった価値も提供できれば、この麻布台ヒルズという街に進出した効果として新しいニーズの把握が可能になるとともに、若い方々にも受け入れていただけるようになるのではないかと思っています。

健診は単年ではなく、経年で見ていくというのが重要です。若いときからドックを受けていただくと、そのデータから、どこにターニングポイントがあってどこに注意を向ける必要が出てきたかというのが、とても分かりやすくなります。
若い時からの定期的なドック受診は大きな財産になるということを、多くの方に知っていただきたいですね。

お話をうかがった方:事務長 矢崎 久妙子さん、システム担当課長 中村 進さん

  • 施設名
  • 慶應義塾大学 予防医療センター
  • 施設長
  • 高石 官均
  • コンセプト
  • 一人ひとりの人生と共に歩む医療を。

    人生100年時代、これからの社会で求められるのは、すべての人がいつまでも健康で、充実した豊かな毎日を過ごせることです。
    私たち慶應義塾大学予防医療センターは、その実現を押し進めるイノベーション拠点。
    最新の知見と技術で「健康寿命の延伸」を追求します。

    慶應義塾大学病院は、これまで高度で先進的な医療を推進してきました。
    その取り組みを広げ、「予防医療」という次なる可能性を切り拓いていくのが当センターです。

  • URL
  • https://cpm.hosp.keio.ac.jp/ja/